この章の内容は、
化学物質−§1.PCB
化学物質−§2.フロン
化学物質−§4.プラスチック
と重複するので省略します。
【第1章の参考文献】
環境問題を扱った著書は数多いが、全体的な視座を持ったものとして次の4冊を挙げる。
- L.R.ブラウン編『ワールドウォッチ 地球白書』(ダイヤモンド社)
- J.ベリーニ著『ハイテク地球汚染』(ダイヤモンド社)
- 市川定夫著『エンバイロンメントロジー 環境学』(藤原書店)
- 『講座 文明と環境 第11巻 環境危機と現代文明』(朝倉書店)
最後に挙げた講座は、環境問題を論じるに当たって歴史的な見方を提供してくれる。有害物質のリスクアセスメントについては、
- 松原純子著『リスク科学入門』(東京図書)
- J.V.ロドリックス著『危険は予測できるか』(化学同人)
が詳しい。PCBによる被害を解説したものとしては、
- NHK取材班『地球汚染2』(日本放送出版協会)
- 川名英之著『ドキュメント 日本の公害 第3巻 薬害・食品公害』(緑風出版)
が専門的知識のない人にも読みやすい。
フロンとオゾンホール、環境ホルモンなどについては、専門的な解説書も多いが、ここでは、比較的平易なものを揚げておく。
- 環境庁オゾン層保護検討会編『オゾン層を守る』(NHKブックス)
- T.コルボーンほか著『奪われし未来』(翔泳社)
《考えてみよう》
高度産業化の過程で直面する諸々の困難を克服するために、技術者は科学を利用してさまざまな対応策を考案してきた。特に、安全性や耐久性を高めるには、化学的に安定な素材を開発して従来品と置き換えていくことが最善の方法とされ、PCBやフロン、アスベストなどが使われるようになった。しかし、近年、こうした「化学的な安定性」が、逆に環境や生体に対してはマイナスに作用することが判明してきている。新素材を開発する技術者たちは、何を見落としていたのか。有用性と危険性についての評価はどうあるべきか。
©Nobuo YOSHIDA