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§4.利用される生命

 現代文明は、生命をも産業にとっての有用性という観点から選別しようとする。科学技術の力を借りて、産業の発展に役立つ要素を積極的に取り入れ、無用と判断されたものは切り捨てられる。この方法論は、すでに技術主義の破綻がそこかしこに見いだされるようになった20世紀後半においても、見直されるどころか以前にも増して積極的に押し進められており、農業や医療の分野では、自然界には存在し得ない新たな生物を作り出して人間の利用に供する試みが行われている。

 こうした試みの例としては、遺伝子組み換え作物やクローン動物がある。
 それぞれの具体的内容に関しては、
 「バイオテクノロジー」−「遺伝子組み換え作物
および
 「バイオテクノロジー」−「クローン技術
を参照していただきたい。




©Nobuo YOSHIDA