吉 田 伸 夫 著
技術評論社
A5判/176ページ
定価1,980円(本体1,800円+税10%)
発売日 : 2023/03/03
【出版社からの内容紹介】
これは物理現象としての,人類の物語。
「人間とは何か」「我々はどこから来てどこに行くのか」――こうした問いに対し,本書は「人間は物理現象である」という立場から論を展開していく。人間の存在は,物理法則を超越した奇跡ではない。しかし,今ここに知性と意識を有する人間として生きていることは,無数の偶然が重なり合った結果として実現された,奇跡的な出来事なのである。
生命・知性・意識の3つの面から奇跡的な物理現象としての人類を語る,迫真のサイエンス読本。
【著者による紹介】
- 「人間とはいかなる存在か」という問題を、「宇宙の中の人間」「知性に至る進化」「意識とは何か」という3つのテーマに分けて論じています。人間存在は科学的な法則に反しない物理現象だが、それでも、奇跡的な出来事だという主張です。
- これまでの著作に比べて、思索的な色合いの濃い内容になっています。物理と人間の問題に関心のある方は、是非、手に取ってみてください。
- 既刊書はいずれも、出版社から「こういう本を書いてください」と依頼されて執筆したものですが、今回初めて、自分から出した企画を実現していただきました。私個人の世界観・人間観を全面的に展開しており、いささかパーソナルに過ぎるかもしれません。
吉 田 伸 夫 著
幻冬舎(新書)
定価:900円+税
【出版社からの内容紹介】
生命は活動し、物体は形を持ち、時間は流れる。物質や光の最小単位・量子は、これらのあらゆる現象と関わりを持つ。だが量子には謎が多く、運動方程式など、私たちが住むマクロ(巨視的)な世界の物理法則が通じない。その正体すら判別できず、教科書でも「粒子であり波でもある」という矛盾を孕む説明がなされる。本書では「粒子ではなく波である」という結論から出発し、量子を巡る事象の解明に挑む。細胞の修復、バラバラに砕けない金属、枝分かれしない歴史……こうした世界の秩序は量子が創っていた――。日常の見え方が変わる一冊。
※内容の一部が幻冬舎のWebページ(幻冬舎plus)で紹介されています。
→試し読みページ
※同じページが『東洋経済オンライン』にも掲載されました。
→「私たちの細胞が傷ついても自然治癒するカラクリ」
※ノーベル物理学賞が量子もつれの研究に授与されたのを機に、第9章「離れているのにもつれている?」冒頭部分が、幻冬舎のWebページ(幻冬舎plus)で試し読み可能になりました。
→試し読みページ
吉 田 伸 夫 著
講談社
定価:2,970円(税込)
A5判/256ページ
発売日 :2021年9月9日
【出版社からの内容紹介】
竹内薫氏、絶賛!「最低限の数式で、ホンモノの宇宙論が理解できる!」
宇宙の始まりは「神の領域」ではない。人類の科学が解明した宇宙138億年史を、高校物理・数学だけを予備知識として、丹念に追う。
吉 田 伸 夫 著
技術評論社
定価(本体1,980円+税)
A5判/232ページ
発売日 :2020年10月17日
【出版社からの内容紹介】
「「物理は高校で勉強した」と思っているあなたに言いたい。真の物理学は,高校で学んだことのほんの少し先にあると。」
(本書「はじめに」より)
高校物理で学ぶ内容を著者独自の視点でまとめ直し,指導要領にはできるだけ従いながらも,原子内部からブラックホールまで具体的な事例と結びつけて,ていねいに解説。
本書を読めば,物理学がまさに,世界とは何かを知ろうとする人間の営みであると,実感できるでしょう。
※著者による仮タイトルは『高校物理再入門』だけでしたが、出版社が、思いっきり名前負けしそうな副題をつけてくれました。
※2020年ノーベル物理学賞の対象となった「天の川銀河中心にある超巨大ブラックホールの重力の影響」について、p.36で簡単に解説しています。
吉 田 伸 夫 著
講談社
定価1000円(税別)
新書判/240ページ
発売日 : 2020/01/15
【出版社からの内容紹介】
科学が捉えた「時間の本質」――時間は過去から未来へ流れて《いない》!?
時間の正体は、宇宙の起源につながっている。
時間とは何か? 時は本当に過去から未来へ流れているのか?
「時間が経つ」とはどういう現象なのか?
先人たちが思弁を巡らせてきた疑問の扉を、いま、物理学はついに開きつつある。
相対性理論、宇宙論、熱力学、量子論、さらには神経科学を見渡し、科学の視座から時間の正体に迫る。
◇本書「はじめに」の内容は、「あのニュートンですら「時の流れ」にふわっとした解釈をした理由」(講談社・ブルーバックスのサイト)に掲載されています。
◇書籍ダイジェストサービスSERENDIPに、本書の要約「【新書】現代物理学で「時間は流れていない」のはなぜか」が掲載されました(全文読むには、会員登録が必要です)。
吉 田 伸 夫 著
技術評論社
1,706円
単行本(ソフトカバー): 224ページ
発売日: 2018/4/14
【出版社からの内容紹介】
科学とのつきあい方がようやくわかる!
たまたま耳にした最新の科学ニュースについて、説明を聞いても全然わかった気がしない…。
そもそも科学はどうしてこんなにわかりにくいのだろう…。
そんな素朴な疑問に本書がずばり答えます。
【特徴】
「科学とは、完成された知の体系ではなく、一つの方法論だ」という観点から、科学の本質に迫ろうとする著作です。科学はどんなときに誤りを犯すのか。また、さまざまな誤りを犯してきたにもかかわらず、科学者たちが科学に対する信頼を失わないのはなぜか。こうした点について、具体的な事例に基づいて考察します。
吉 田 伸 夫 著
技術評論社
1,706円
単行本(ソフトカバー): 208ページ
発売日: 2017/4/13
【特徴】
現行の量子論がひどくわかりにくいのは、物理現象を具体的にイメージすることを禁じるハイゼンベルク流の方法論が、広く採用されているからです。しかし、この方法論が絶対的だとは限りません。本書では、「閉じ込められた波が定在波を形成することで量子が生じる」というシュレディンガー流の描像を採用し、量子論的な現象についての具体的なイメージを作り上げることを目指します。
吉 田 伸 夫 著
講談社
定価980円(税別)
新書判/288ページ
発売日 : 2017/02/14
【出版社からの内容紹介】
今から138億年前、宇宙はビッグバンで生まれた。実は「138億年」の時の流れは、宇宙にとってはほんの一瞬だ。宇宙は、人類誕生までの138億年を序盤のごく一部として含み、この先少なくとも「10の100乗年」に及ぶ、想像を絶する未来を有する。そんな遠大な未来に、宇宙は「終わり」を迎えるのか? 答えは本書にある。宇宙に流れる「10の100乗年」の時間を眺め、人類の時間感覚とは全く異なる壮大な視点に立つ。
【特徴】
宇宙全史を通観する試みです。138億年前、「整然としたビッグバン」から始まったこの宇宙は、誕生直後の短い間、拡散と凝集のせめぎ合いの中で複雑な構造が形成され生命の発生に至ったものの、次第に構造が崩れていきます。やがて全ての恒星が燃え尽き、暗闇の中で長時間が過ぎるうちに、銀河システムは崩壊し、ブラックホールと漂流天体だけの世界になります。さらに、人間の想像力を越えるような時間が経過すると、物質が消滅しブラックホールも蒸発して、ついには、何も起きない状態−−宇宙の終焉が訪れます。
吉 田 伸 夫 著
講談社
定価3,600円(税別)
ソフトカバー/279ページ
発売日 : 2016/4/7
【出版社からの内容紹介】
重力とは何か?時空はなぜ歪むのか?高校物理レベルの知識だけを前提として読めるように、気鋭の著者が工夫をこらして解説した。特殊相対性理論から一般相対性理論まで、この壮大な知の体系を一冊で学びつくす独習書。
【特徴】
- 高校物理を習得した人を対象に、高度な数学をできるだけ用いないようにしながら、特殊相対論から一般相対論までを解説します。
- 多くの初学者が躓く光速不変性を前提とせずに、「無重力空間を漂っているときに、自分が動いているか止まっているかを判定できるか」という問いかけから出発して、相対性原理を導入します。
- 練習問題を数多く出題し、これを自力で解くことによって、相対論の基本的な考え方を身に付けられるように配慮しています。
吉 田 伸 夫 著
技術評論社
定価1,659円(本体1,580円)
四六判/208ページ
発売日 : 2013/12/05
ISBNコード : 978-4-7741-6131-0
【出版社からの内容紹介】
ようやくあなたの素粒子に対するイメージが具体的になる!
【特徴】
- 数式をほとんど用いずに、「素粒子とは何か」という問いに答える試みです。
- 「素粒子は粒子でない」という観点から、基本粒子である素粒子がなぜ生成・消滅し、別の素粒子に変転するのか、仮想粒子と呼ばれるものは本当に存在するのか−−などの問題に取り組みます。
- 通常は大学院レベルで学ぶ場の量子論をはじめ、ゲージ対称性・摂動法・繰り込みなどに関して、その内容をできるだけ具体的に紹介します。
吉 田 伸 夫 著
講談社
定価 3,990円(税込)(←高くて本当にすみません)
発売日 : 2013/03/30
ISBNコード : 978-4-06-153285-4
【出版社からの内容紹介】
宇宙の謎に迫る現代の物理学。最新理論が予言する壮大な宇宙モデルは、どこまで正しいのか? どのような観測で検証できるのか? 急速に発展を続ける量子宇宙論を、最低限の予備知識をもとに、わかりやすく説き明かす。
【特徴】
- 相対論と量子論に基づく(広い意味での)量子宇宙論を紹介します。
- 標準的な宇宙論になりつつあるインフレーション宇宙論だけでなく、無からの創造や並行宇宙など、専門家以外の人も興味を持ちそうな話題を扱っています。
- 学部レベルの数学だけを使い、厳密さよりもわかりやすさを重視しています。
吉 田 伸 夫 著
講談社(講談社サイエンティフィク)
定価 3,150 円(税込)
発売日 : 2011/07/25
ISBNコード : 978-4-06-153275-5
【出版社からの内容紹介】
なぜ重力の量子化が困難なのか? 量子重力理論は,何を解決しようとしているのか? ループ量子重力理論とは,超ひも理論とは,どのような理論なのか? 学部学生程度の物理学から出発し,量子重力理論という最先端へ読者をいざなう.専門書を読む前の,はじめの一歩に最適な入門書.
【特徴】
- 大学院学生向けの専門書とは異なり、経路積分・場の量子化・くりこみ・共変性などの基礎的な話から始めて、量子重力理論へと至る道のりを俯瞰的に眺めます。
- 具体的にはループ量子重力理論や超ひも理論を取り上げますが、完成された理論として成果を紹介するのではなく、重力の量子化がなぜ困難かを指摘した上で、これをどのように克服するかという観点から解説し、「なぜループか」「なぜひもか」という従来の書物ではあまり論じられなかったポイントに目を向けます(個々の理論の解説は、それほど詳しくありません)。
- 学部レベルの数学だけを使い、厳密さよりもわかりやすさを重視しています。
吉 田 伸 夫 著
新潮社(新潮選書)
定価 1,155 円(税込)
発売日 : 2010/05/25
ISBNコード : 978-4-10-603660-6
【出版社からの内容紹介】
光量子論、ブラウン運動、特殊相対論、一般相対論……。20世紀の初頭にアインシュタインはなぜ、かくも革命的な理論を次々と構築できたのか。そして後年、量子力学を執拗に批判し、統一場の理論を夢見つづけたのはなぜか。光と重力と四次元を解き明かし、物理学の世界を一変させた天才の頭脳。その発想法と思考術の秘密に迫る。
【特徴】
- 演繹的な思考ではなくジャンプによって新しい原理に到達するアインシュタインの発想法を軸に、特殊相対論・一般相対論・ブラウン運動・量子論という彼の業績全般にわたって解説します。
- アインシュタインの特殊相対論は、先行するローレンツやポアンカレの理論とどこが違うのか? 等価原理という素朴なアイデアからテンソル解析を利用した一般相対論へと移行する際に何が起きたのか? 量子論の基礎を築きながら量子力学に対して批判を繰り返したのはなぜか? アインシュタインの論文を読み込み、発想の筋道を辿ることによって、こうした謎を解明していきます。
- これまでの科学史で過小評価されてきたグロスマンに光を当てます。また、量子力学に関するボーアとの論争については、現代物理学の知識に基づいて、議論の正否を正しく判定します。
吉 田 伸 夫 著
技術評論社
定価 1,554 円(税込) (←少し高いという声もありますが)
発売日 : 2009/12
ISBNコード : 978-4-7741-4038-4
【内容紹介】
- HEMT・フラッシュメモリ・面発光レーザなど、日本人技術者が開発したナノエレクトロニクスデバイスについて解説します。
- 無味乾燥な技術解説でも、ジャーナリスティックな開発物語でもなく、両者を融合した新しいタイプの解説書です。それぞれのデバイスに関して、物理学的な動作原理を数式を使わず直観的なイメージを元にわかりやすく説明します。さらに、技術者たちがどのような発想に基づいてデバイス開発を成し遂げたか、本人へのインタビューをベースに事実に即してまとめています。
- 日本の技術力に自信を失いつつある人々へ、先人たちが何をしてきたかを伝え、次世代への希望につなげる書です。
- 具体的な内容−−「量子細線・量子ドットと榊裕之」「HEMTと三村高志」「面発光レーザと伊賀健一」「フラッシュメモリと舛岡富士雄」「スピントロニクスと前川禎通」
◇本書のことが、「日経サイエンス」の「森山和道の読書日記」(2010年3月号p.122)で紹介されています。
吉 田 伸 夫 著
新潮社(新潮選書)
定価 1,260 円(税込)
発売日 : 2008/10/25
ISBN-10 : 4106036223
【内容紹介】
- 量子力学と素粒子論を結びつけるミッシング・リンクたる「量子場の理論」。これまで、本格的な解説書が皆無に近かったこの理論について、高等数学を使わずに解説します。「量子論の端緒となった光量子論はどうなったのか?」「γ線を用いた思考実験で不確定性原理を説明するハイゼンベルクの議論は妥当なのか?」「素粒子の標準模型と量子力学はどんな関係にあるのか?」−−こんな疑問を抱いていた人にお勧めです。
- 主要論文を読破し理解した上で、前期量子論からくりこみ理論に至る理論の形成過程を叙述します。現在の知識に基づいて再編成した「教科書的な科学史」ではなく、試行錯誤を重ねながら少しずつ前進していくプロセスを、理論の具体的な内容を中心に見ていきます。
- これまでの科学史であまり語られなかった天才ディラックと怪物パウリの知的対決にスポットライトを当てます。また、呪われた物理学者ヨルダンの業績も正当に評価します。一方、過大評価されてきたボーアとハイゼンベルクについては、やや批判的に解説します。
吉 田 伸 夫 著
新潮社(新潮選書)
定価 1,155 円(税込)
発売日 : 2007/01/25
JAN/ISBNコード : 4106035766
【出版社からの内容紹介】
始まりは? 大きさは? ブラックホールとは? アインシュタインからホーキングまで、宇宙をめぐる12の謎に挑んだ科学者たちの思考のプロセスをたどる。
【特徴】
- 宇宙論の歴史を、現在に至るまでのスムーズな流れとしてではなく、試行錯誤を繰り返した科学者たちの苦闘の過程として描き出します。そのために、オリジナル論文にできる限り忠実な形で業績を紹介し、宇宙にチャレンジした科学者たちが何を考え、どのような誤りを犯し、それをいかにして修正したかを、具体的に見ていきます。
- 例えば、多くの宇宙論の入門書で、「アインシュタインは宇宙を静止させるために宇宙項を導入した」と書かれていますが、これは事実ではありません。それでは、アインシュタインはどのような思考プロセスを経て宇宙項を導入したのか−−本書第2章をお読みください。
- 「ブラックホールの存在を予言した科学者は誰か」という問いがありますが、答えは、シュヴァルツシルトでもチャンドラセカールでもなく、オッペンハイマーです。その理由は?−−本書第8章をお読みください。
- このほか、間違いだらけだったガモフのαβγ理論(ビッグバン理論の原型)、ハッブルの距離−速度関係に含まれていた巨大な誤差、研究者を惑わしたフリードマンのミスなど、入門書では触れにくい天才たちの過ちまで紹介しており、これまでとはひと味違った宇宙論史になっています。
- 各章で1つの話題を取り上げているので、好きなところをピックアップして読むことができます。過去の出来事だけではなく最新の観測データも紹介し、さらに、詳細な科学者リストを附けているため、参考書としても利用価値があります。また、数式がほとんどなく、文科系の科学史の教科書としても使えるでしょう(ただし、教える側にそれなりの学識が必要)。
©Nobuo YOSHIDA