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§1.PCB



 PCBは、化学物質にまみれた現代文明の栄光と挫折を象徴する物質である。1960年代までは、技術者の理想を実現した「夢の油」と呼ばれながら、しだいにその恐ろしさが認識され、いまでは疫病神のように忌み嫌われている。この評価の急変自体が劇的であるが、それ以上に興味深いのは、PCBの場合、技術者が理想的と考えたまさにその性質が、環境汚染の元凶になったという皮肉な事実である。この物質を開発し利用していた技術者は、いったい何を見落としていたのかを考えてみよう。

PCBとは何か



 PCB、すなわちポリ塩化ビフェニールとは、ビフェニル(C65−C65)における水素原子のいくつか(2〜5個)が塩素原子で置換されたものであり、猛毒のダイオキシンと類似した化学構造を持っている(下図;近年では、コプラナーPCBと呼ばれるPCBの一種は、ダイオキシン類に分類されている)。常温では無色透明の液体で、油の一種と考えて良い。
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 最初にPCBの合成に成功するのは、シュミットとシュルツという2人のドイツ人化学者で、1881年のことである。この時代になると、科学の成果を応用して技術的開発を行うという手法が徐々に根付いてきている。化学者たちも、この辺りの事情を了解して、様々な性質を持つ化学物質の開発に熱意を見せていた。特に、肥料や染料などの製品化に当たって、基礎的な科学研究が重要な役割を果たした。ただし、PCBの場合、合成した当初は、その有用な性質が充分に理解されなかったため、工業的に大量生産されるようになるのは、さらに半世紀近く先になる。
 1914年から18年にわたって全ヨーロッパを戦場とした第1次世界大戦は、近代的な科学・技術が組織的に利用された最初の戦争である。化学の分野で高い水準を示していたドイツは、科学者を動員して気体塩素を用いた毒ガス兵器を開発に成功する。多数の人員を無差別的に殺戮する毒ガスは、戦後、非人道的な兵器として指弾されるが、皮肉なことに、塩素化合物の合成法に関するこのときの研究成果は、戦後の塩素化学工業に大きな貢献をすることになる。第1次大戦後に化学工業を発展させたのは、戦争で疲弊したヨーロッパではなく、実用主義の気風を持つ新興国家アメリカであり、ここで、プラスチックや有機溶媒、塗料、医薬、爆発物など、各種の塩素系化合物が生産されるようになる。そうした中で、PCBも、1929年からアメリカで大量生産が開始される。

PCBの利用史



 PCBが「夢の油」と呼ばれた最も大きな理由は、ミネラル・オイルと比べて、「化学的に安定」だという点である。これは、産業に利用する場合、次のような点で、きわめて「好ましい」性質だと見なされた:  PCBのもう一つの長所は、「水に溶けず他の油と良く混ざる」(水に対する不溶性、油脂成分との親和性がある)という点である。この性質があるため、雨などがかかる屋外で使用しても流出しにくく、また、他の有機溶媒や合成樹脂に混合して加工することができ、産業上の有用性が増すことになる。
 さらに、「電気を通さない」という性質もあるため、絶縁材として利用可能である。
 このように、産業にとって「好ましい」性質が多々あるため、PCBは、「夢の油」としてさまざまな分野で大量に利用されるようになる。

 代表的な利用法を、表にまとめておこう。
用 途 PCBが用いられた理由 製品/使用場所
絶縁油 絶縁性があり、長期にわたって変質しにくいため。不燃物なので安全性が高い。 ビル、病院、地下設備、電車、地下鉄、船舶などの変圧器。家庭電気製品(冷暖房機、洗濯機、ドライヤー、電子レンジ、 冷蔵庫など)、安定器用(蛍光灯、水銀灯など)、各種モーターに利用されるコンデンサー。
熱媒体 熱容量が大きく、温度変化によって変質しないため。 各種化学工場、食品工場、合成樹脂工場、製紙工場などの行程の加熱と冷却。集中暖房やパネルヒーターなど。
潤滑油 空気に晒されたり高温下に置かれたりしても変質せず、滑らかさを失わないため。 高温用潤滑油、作動油、真空ポンプ油、切削油、極圧添加剤。
可塑剤 他の有機溶媒や合成樹脂と良く混ざり、混合物はPCBの持つ絶縁性・不燃性・耐水性などを受け継ぐため。 電線やケーブルの被覆、絶縁テープ(絶縁用)。ポリエチレン樹脂、ポリエステル樹脂、合成ゴム(難燃用)。接着剤、ニス、ワックス、アスファルトなどに混合。
その他 不燃性・耐薬品性・耐水性などがあるため。 難燃性塗料、耐薬品塗料、耐水塗料。陶器・ガラス器の着色。農薬の効力延長剤。紙のコーティング剤。

 多彩な応用例からもわかるように、これほど有用性の高い化学物質も稀である。PCBがいっとき「夢の油」と呼ばれたのも納得がいくだろう。

PCB汚染の拡がり



 こうしたPCBの栄光に翳りが見えるのは、1960年代に入ってからである。
 このころ、欧米各地で魚の大量死や野生動物の繁殖力の低下などの問題が表面化していた。当初は、DDTやBHCなどの有機塩素系殺虫剤か、その分解生成物が原因ではないかと疑う人が少なくなかった。これらの殺虫剤は、昆虫特有のはしご状神経系を麻痺させるもので、人間には無害と思われていたため、戦後の一時期、害虫駆除の目的で大量に使用された。日本人の中にも、占領軍によって持ち込まれたDDTを、伝染病予防のため、頭から全身が白くなるほどかけられた経験を持つ人がいる。ところが、後になってわかったことだが、この種の有機塩素系殺虫剤は、自然界では分解されにくいため、しだいに環境中に蓄積してしまう。たとえ少量であっても、長期間接触し続けると、短期間の観察ではわからなかった変異原性が表面化してくるのである。欧米で起きている動物の異変も、殺虫剤を大量使用したツケが回ってきたのではないかと思われた訳である。
 この考えに疑念を持ったのは、スウェーデンのヤンセンという学者である。彼は、大量死した魚を分析して原因物質を追求していたが、なかなか検出することができないでいた。どうしたら原因が突き止められるか、そう考えて調査を続けているさなか、動物の異変に一定のパターンが見られることに気がつく。大量死や繁殖力の低下が見られるのは、サケや川カマスのような川魚、および、これを食べるオジロワシなどであり、魚を食べないオオジカに異変はない。この観察事実は、原因となる物質が食物連鎖を通じて動物間を伝播していることを示唆する。とすれば、食物連鎖の終着点であるオジロワシにこそ、原因物質が最も多量に蓄積しているのではないか。こう考えたヤンセンは、オジロワシの体の分析を行い、1966年、PCBの検出に成功する。実は、サケや川カマスの大量死もPCBが原因だったのだが、あまりに微量で、当時の技術では検出できなかったのである。こうして、PCBの環境毒性が認識されるようになり、1970年代にはいると、欧米や日本で相次いで使用や生産が禁止される。
 さらに、人体に対するPCBの毒性を直接的に示す事件が1968年に日本で起きている。「カネミ油症事件」である。日本では1954年から鐘ヶ淵化学などでPCBの生産が行われており、カネミ倉庫が食用油を作る際にも、加熱して油を脱臭する過程でPCBが熱媒体として使用されていた。ところが、パイプが部分的に腐食していたため、PCB(および、その副生成物質であるダイオキシン類のPCDF)が食用油に混入してしまい、これを食べた人たちに中毒症状が現れた。主な症状は、皮膚の黒ずみ、吹き出物や目やに、食欲不振、脱力感、呼吸器障害などで、若い女性は、容貌の変化に悩み傷つき、顔を隠して受診していたという。さらに悲惨なのは、患者の母親から生まれた子供である。PCB/PCDFは胎盤を通じて胎児の体に濃縮されるので、誕生の時点で顕著な胎児性油症を示す(死産のケースもある)。また、母乳からもPCB/PCDFが移行するため、「黒い」子供が産まれるたびに母親の症状が軽くなるという皮肉な結果にもなった。ただし、こうした症状のかなりの部分は、実は、PCBよりも副生成物のPCDFに起因するもので、PCBの毒性は、主として、肝臓をはじめ肺・腎臓・副腎の障害として現れた。史上最大の食品公害として知られるこの事件の被害者は、1975年時点で、死者29人、認定患者1291人、届出患者14000人以上に上る。
 このような体験を通じてPCBの恐ろしさが認識されるようになると、世界各国で規制が実施されるようになる。最初に動いたのは北欧諸国であり、1971年にPCB規制法が制定された。翌1972年には、アメリカで有害物質規制法案が提出された。日本でも、1972年に政府が生産中止を急遽決定し、1974年に施行される「化学物質規制法」によって、PCBの製造・流通・新規使用が禁止された。こうして、70年代前半までには、先進諸国の大半でPCBは生産されなくなる。
 しかし、PCBの恐怖は、生産が中止された後も去らなかった。PCBを利用した製品の多くは耐用年限まで使用することが認められており、いまだに、内部にPCBが入っている変圧器やコンデンサーが稼働中である。さらに、使用済みとなったPCBも、簡単に処理できる訳ではない。十分に高温にすればPCBの焼却処理も可能だが、800℃以下で燃焼させると、PCBよりも毒性の強いダイオキシンが生成されてしまう。このため、通常の焼却炉で処理することができず、使用済みのPCBは、ドラム缶などに入れて保管し続けなければならない。保管中のPCBの一部が、不法に海洋投棄されることもあり、日本近海の海水からは、いまだに憂慮すべき濃度のPCBが検出されている。現在、触媒を利用した安全な処理法が実用化段階に達しているが、処理費用が高くつくため、普及は遅々として進んでいない状況である。

食物連鎖と生体濃縮



 かつて「夢の油」と讃えられたPCBが、なぜ環境を破壊する原因物質に変貌したのか。「PCBが有毒だったから」と答えるのは簡単だが、それだけで済ましては、ある重要なポイントを看過することになる。PCBの有用性の証となっていた「化学的に安定」「水に溶けず他の油と良く混ざる」という性質こそ、環境破壊を引き起こす原因そのものだったのである。
 すでに述べたように、PCBは化学的な安定性が高いゆえに、さまざまな分野での応用が可能だった。ところが、産業にとって好ましいこの性質も、自然界から見ると、物質循環の流れに組み込まれない異端者の証にほかならない。自然に存在する物質は、さまざまな化学変化による分解と合成の連鎖の中に置かれている。ところが、PCBは、分解されにくいことを目標として人類が意図的に作り上げたものであり、自然界に放出されると、この連鎖からはずれて、いつまでも環境中に残留し続けることになる。欧米で使用禁止になってすでに四半世紀以上を閲しているというのに、いまだに、世界各地からPCBが検出されているというのも、そのためである。
 PCBの化学的安定性は、生体にとっても厄介な性質である。多くの動物は、肝臓にある酵素を利用して有害物質を分解し無毒化する。しかし、PCBのように進化の過程で出会う機会のなかった物質の場合、これとぴったり結合して分解するような酵素は準備されていない。既存の酵素だけでも大概の物質は分解できるのだが、PCBほど頑強な化学物質は、さすがにほとんど分解できないのだ。地球上の生物にとって、PCBは分解不可能な異物なのである(PCBをも分解して栄養にしてしまうバクテリアが発見されており、これがPCB処理に利用できるのではないかという期待もあるが、これほどのバクテリアが外部に逃げ出したときに何が起きるか判然としていないため、いまだに研究の域を脱していない)。
 もっとも、単に分解されないだけなら、環境中で拡散され薄められて、さして悪影響をもたらさないはずである。PCBが生態系に大きなダメージを与えたのは、「水に溶けず他の油と良く混ざる」という性質が災いして、生体濃縮というメカニズムが働いたからである。この性質がなぜ環境問題を引き起こすかは、PCBが海に流れ込んだ場合を考えてみればわかるだろう。水に溶ける物質ならば、海水中に拡散して十分に薄くなってしまう。だが、水に溶けず油に対する親和性を持つ化学物質の場合、拡散せずに海の中にある「油」に集まってきてしまう。海の中の「油」とは、すなわち海洋生物の体脂肪である。ここでも、人間がさかしらにも「理想的だ」と思った性質が、裏目に出ていることがわかる。
 地球上の生物は、水を利用して物質輸送を行う。人間などの大型動物の場合、体内に毒物が入ってきたときには、血液によって肝臓まで運んで各種酵素により分解し、最終的には腎臓で濾しとって尿として排出する。ところが、口や皮膚から体内に侵入したPCBは、水には溶けにくいが油とはよく混ざるという性質のため、いつまでも血液に溶けていることができずに、すぐに体脂肪の中に入り込んでしまう。
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しかも、このようなプロセスは、食物連鎖を通じて生態系の中で累進的に進行し、高次の捕食者ほどPCBが脂肪内に高濃度で濃縮されることになる。こうして、海水中に油滴となって混入しているPCBは、プランクトンや小魚から大型魚や鳥類へと移行するにつれ、その濃度がどんどんと高まっていくのである。北欧や五大湖で、魚を捕食する鳥類から驚くほど高濃度のPCBが検出されることがあるのは、こうしたメカニズムによる。
 食物連鎖を通じての生体濃縮は、PCBだけではなく、ダイオキシンやDDT,BHCなどの多くの有機塩素系化合物に共通する性質であり、これらの物質が、高次の捕食者になるほど体脂肪中に高濃度で蓄積されることは、多くのデータが示している。
西太平洋の外洋生態系における有機塩素化合物濃度(ppb)
PCBDDTBHC
表層水0.000280.000140.0021
動物プランクトン1.81.70.26
ハダカイワシ48432.2
スルメイカ68221.1
スジイルカ3700520077
 人間といえども、こうした食物連鎖から独立に存在しているわけではない。PCB汚染地域の魚だけ食べるのではないため、五大湖周辺のカモメやアメリカ沿岸のイルカほど生体濃縮が進んでいないが、母乳からPCBが検出されているという事実は、人間にも汚染の魔手が確実に届いていることを示唆する。特に、海洋動物を多食する民族(イヌイット)や、早くからPCB汚染が進んだ国(アメリカ、日本)で、母乳中のPCB濃度が高くなっている。また、胎盤を通して母胎から胎児へとPCBが移行することも知られており、汚染が次世代に影響を及ぼす危険性がある。
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 PCBが体脂肪中に蓄積されている個体には、長期にわたって曝露された結果として、さまざまな慢性毒性が現れる。現在確認されているのは、変異原性や発ガン性、免疫力や繁殖力の低下であり、このほかにも、内分泌攪乱作用(環境ホルモン作用)を通じて、生殖器の奇形や甲状腺の異常が生じるという説も有力である。人間の場合、胎児期にPCBに接すると、甲状腺機能の異常によって知能の発育に障害が生じる可能性がある。
 PCBの悪影響がでていると推定される野生動物が最も集中しているのは、アメリカの五大湖周辺である。この地域には、早くから塩素化合物を扱う工場が集中しており、さまざまな化学物質によって湖水が汚染されている。特に、ハクトウワシ、セグロカモメ、ミンク、カワウソなど、食物連鎖の最高次の動物の汚染がひどく、これらの繁殖率が低下しているのは、PCB汚染の結果だと考えられる。また、日本でも、アホウドリやイヌワシの体内から高濃度に濃縮されたPCBが検出されており、生息数の減少との関係が議論されている。

 1988年、北海やバルト海で約18000頭ものアザラシが大量に死ぬという事件が起きた。TVには、海岸に死屍累々といった有様で横たわるアザラシの姿が映し出され、人々に衝撃を与えた。この大量死の原因は、今なお完全に解明された訳ではない。一応、ジステンパー・ウィルスによる伝染病の蔓延が直接の原因であるとされているが、このウィルスは、かくも多くのアザラシを死に至らしめるほど強力なものではない。むしろ、アザラシの免疫機能が低下しており、これが、さもなくば一過性で終わったはずの流行病を死病に変じたと考えた方が良さそうである。そして、PCBをはじめとする塩素系の化学物質こそ、こうした免疫力の低下を招いた張本人だと主張する学者は多い。
 PCBが疑われる理由は、海棲哺乳類が選択的に悪影響を受けているためである。88年の事件は、死亡したアザラシの数が多かったために特に注目されているが、このほかにも、アザラシやイルカなどの大量死事件は、たびたび起きている。なぜイルカやアザラシは、PCBに弱いのか。いくつかの理由が挙げられる。第1に、これらの動物は、フェノバルビタール型薬物代謝酵素を持っていない。この酵素は、本来は陸生植物が持っているニコチンやストリキニンなどのアルカロイドを分解するためのものだが、わずかにPCBを分解する作用がある。したがって、酵素を持たないアザラシやイルカは、ヒトやイヌに比べてPCBへの抵抗性が小さい。第2に、海棲哺乳類は、皮下にぶ厚い体脂肪組織を持っているが、これが有害な塩素化合物の貯蔵庫になる。第3に、イルカやアザラシは哺乳類で子供に母乳を与えるが、その中に人間よりもはるかに多くの脂肪分を含んでいる(人間の数パーセントに対してアザラシは30〜50%)ため、子供がPCBに汚染されやすく、もともと抵抗力が弱いところにさらにダメージが加えられることになる。
 延々とアザラシの死骸が続く光景は、ほとんど黙示録的であるが、これが、人類の夢の結末であることを、われわれは心に銘記すべきかもしれない。

PCBの処理



 20世紀の物質文明が生み出した「夢の化学物質」PCBは、今や巨大な「負の遺産」となって人々を脅かしている。日本の場合、製造が禁止された1974年の時点で、国内では54000トンのPCBが使用されており、そのうち3万トンが今なお使用中か各地の倉庫で保管されている。廃棄物処理法によって事業者に保管と報告が義務づけられているにもかかわらず、PCBを含む高圧トランスなどの多くが紛失しており、一般産業廃棄物として違法に処理された可能性もある(トランスやコンデンサーの保管数は、1998年で22万台に上るが、事業者の倒産などにより、年間数千台の割合で保管状況が不明になっている)。また、2000年には、小中学校の校舎で使用されている蛍光灯の安定器が破損して、PCBが教室に飛散するという報告も相次いだ。こうした状況を受けて、2001年に「PCB処理法(PCB廃棄物適正処理推進特別措置法)」が制定され、罰則(3年以下の懲役か1000万円以下の罰金)を設けて保管者に処理を義務づける。環境省は、15年以内にPCB処理を完了する計画である。
 化学的に安定で分解しにくいPCBをどのように処理すれば良いか、現在、研究・開発が進められており、いくつかの方法は実用段階に達している。具体的な処理法には、次のようなものがある。  


©Nobuo YOSHIDA