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第2章.循環型社会への始動



 大量生産・大量消費・大量廃棄を続ける20世紀型の産業活動は、このままでは資源の枯渇と環境の悪化を招き、物理的に継続不可能となることは明らかである。事態を改善するためには、資源の使用量そのものを削減することに加えて、これまで環境中に無造作に放出してきた廃棄物を再び生産・消費活動に利用するための「リサイクル」のルートを確立しなければならない。工業製品の場合、資源採取→製造・加工→流通→使用の各段階で、エネルギーや物質資源を消費し、廃棄物を生み出しているので、それぞれの場面に応じて適切なリサイクルが行われる必要がある。
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 この章では、「消費型社会」から「循環型社会」へと方向転換を始めた社会の動きを瞥見し、これからの産業活動のあるべき姿を考えてみたい。


©Nobuo YOSHIDA