秩序パラメータに関する初等的な解説は、次の著作に見られる。
H.ハーケン著:『協同現象の数理 物理、生物、化学的系における自律形成』(東海大学出版会、1980)
きわめて簡単なケースで解説しよう。次の微分方程式に従って変化する2つの変数Qとqについて考える。
ここで、λは非常に小さく、逆にωはきわめて大きいとしよう。Q,qとも初期値が小さく線形近似が許されるとすると、Qは時間因子 exp(λt) に従って増大するが、λが小さいという条件より、その変化はゆっくりしたものである。一方、qの方は exp(-ωt) という減衰因子によって線形項による時間変化は(ωが大きいことから)急速に消滅し、
と近似できる。したがって、この近似の下で2番目の方程式を解いて、
を得るが、これは、qがQに完全に隷従していることを意味する。一方、Qは、qを代入した方程式:
に従っており、システムの大局的な振舞いを支配する。この場合、Qが秩序パラメータとなる。
多変数系で一般論を展開することはきわめて難しいが、現実に存在する物理システムの多くが、確かに少数の秩序パラメータに支配されていると考えられる振舞いを示す。
©Nobuo YOSHIDA
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