科学と技術の諸相2026/04/16 更新
トップ講義ノート論文Q&ANEWS科学の回廊おまけ

Google
WWW を検索 このサイト内を検索

◎ 吉田伸夫が個人で制作しているページです(著作権も吉田に帰属します)。前世紀からチョコチョコと作ってきたので、至る所で内容が古くなっています。(→このページについて
◎ ご意見・ご質問は、 info@scitech.raindrop.jp  までメールをお願いします。

separate.gif

★★気になるニュース★★

南鳥島が核のゴミ処分場に?(26/04/16)

 長期にわたって紛糾してきた高レベル放射性廃棄物(核のゴミ)の最終処分場問題が、ここにきて急展開を見せている。東京から2000キロ離れた絶海の孤島・南鳥島に処分場を建設しようという動きが、にわかに活発になってきたのだ。
 原子力発電所から大量に排出される使用済み核燃料をどうするかは、原発を運営している各国で大問題になっている。唯一の現実的な処理方法は、安定した地層に埋設すること。核燃料そのままか高レベル放射性物質を抽出するかという違いはあるものの、何千年以上も強い放射線を出し続けることには変わりないので、「地下深く埋めるしかない」というのが共通認識である。
 各国の状況は次の通り:スウェーデン(2030年代後半からフォルスマルクで操業開始予定)、フィンランド(オルキルオトに建設中)、フランス・スイス・カナダ(処分地選定済・申請中)、イギリス(候補地選定中)、アメリカ(政治的理由で混乱中)。日本では、候補地すら決まらない状況がずっと続いていたが、突然、南鳥島の名が浮上した。
 長らく候補地が決まらなかったのは、自治体側に立候補を求めていたから。時折手を上げる自治体が現れても、住民の反対で撤回されるのが常だった。既存の使用済み核燃料を敷地内に保管している各原発はすでに満杯に近く、このままではどうにもならないため、2025年に方針を改め国が主導することになった。
 南鳥島は東京都小笠原村に属する島で、全島が国有地。防衛省や国交省の職員が駐在するほかは住民がいない。固有種のような保護を必要とする生物種は見当たらず、有害寄生虫を宿すアフリカマイマイなどが生息するのみ。
 注目されるのは、日本の国土でほとんど唯一の「地層が安定した陸地」であること。4つの大陸プレートにまたがる本土と周辺の島々は、いずれも地震帯や火山脈が含まれ、できれば数万年間は地層が安定してほしい処分場には向かない。これに対して、南鳥島は、海岸近くの珊瑚礁の先は水深が急激に増して、太平洋海盆の深海底に続く。太平洋プレートの端となる日本海溝(北アメリカプレートとの境)や伊豆・小笠原海溝(フィリピン海プレートとの境)から離れており、大地震の可能性はきわめて低い。今後は、試掘によって地下の状態を精査することになる。
 処分場の場所として気がかりなのは、廃棄物を船舶で搬入しなければならない点。高レベル放射性廃棄物は、いわゆるダーティボムの原料としてテロリストに狙われる危険性があり、厳格な監視体制が必要となる。また、岩盤にひびが入って海水が浸入し、保管容器を破損しないかも考慮しなければならない。
(→以前に執筆した「気になるニュース」

★★著書が紹介されました★★

YouTubeチャンネル「のもと物理愛」で、私の著書が紹介されました。 「場の量子論ざっくり理解(まずは入り口)」という動画で、入門書として が挙げられ、これらの内容に基づいて、場の量子論に関する基礎的概念が説明されています。
野本さんは、ほかにも量子論や相対論をわかりやすく解説する動画を多数アップしていますので、興味のある人は、チャンネルにアクセスしてみてください。

★★ラジオ出演のお知らせ★★

 ページ制作者・吉田が出演したラジオ番組

阿部亮のNGO世界一周!〜この世界を科学で眺めたら〜
 (2025年5月6日(火・休日)16:30-17:30 ニッポン放送)

は、ニッポン放送PODCAST STATIONで聞くことができます。

 2025年2月に出版された拙著『この世界を科学で眺めたら』をベースに、阿部亮さんと物理学から知性や文明の問題まで、自由に語り合います。

★★Q & A★★

質問 場の量子論を勉強している最中の者ですが、素朴な疑問があります。
 場の量子論を理解できたら 量子力学で出てくる言葉(波動関数、確率振幅など)は忘れていいものなのでしょうか? もっと言えば、歴史的な興味は別として 量子力学 を忘れていいものなのでしょうか?
 場の量子論の本を読んでいて、せっかく場の理論を勉強しているのに粒子という言葉が出てくることがあるので戸惑ってしまいます。【現代物理】

★★新著のお知らせ★★

 ページ制作者(吉田)の新著が刊行されました。今回は、一般の人でもすぐに読める科学エッセイ集です。
この世界を科学で眺めたら
『この世界を科学で眺めたら ―― 真理に近づくための必須エッセイ25』
  (→Amazonの該当ページへ
吉 田 伸 夫 著
技術評論社
2025年2月19日紙版発売
四六判/144ページ
定価1,760円(本体1,600円+税10%)
【この本の概要】
科学はとても人間的な営み。ただ,ちょっと敷居が高いだけ。あらためて科学で眺めてみたい,私たちの生活とこの世界。
本質を突いた解説でおなじみのサイエンスライターによる,身近な現象から宇宙の謎まであなたの住む世界の見え方ががらっと変わる,書き下ろし初エッセイ集。
【こんな方におすすめ】
科学には興味はあるものの,難しそうで敬遠しがちな人
世界の見方が変わるような,新しい発見をしたい人
日常生活やこの世界を科学的な視点で,俯瞰で眺めてみたい人

(→他の著書の紹介

separate.gif

★★吉田の近況★★


separate.gif

【注意】本サイトは、プロバイダーの都合で「常時SSL化」に対応しておらず通信が暗号化されていません。このため、ブラウザで閲覧する際、「保護されていません」「安全ではありません」などの表示が出ることがあります。ただし、ページ内に広告はなく、トップページ上部のGoogle検索で個人情報を入力しない限り、セキュリティ上の問題はありません。

separate.gif
この世界についての仮説
(同じ著者による独立したページ)

©Nobuo YOSHIDA